舌下免疫療法とは

スギ花粉やダニによるアレルギーの治療で、口の中に薬剤を含むだけで体質改善を図る舌下免疫療法が広がってきています。花粉などによるアレルギー性鼻炎は、体内に入った原因物質(アレルゲン)に体が過敏に反応して起きます。舌下免疫療法は、アレルゲンを含む薬を1日1回、舌下に1、2分間含み、自然に吸い込むより大量のアレルゲンを体内に取り込ませます。体の免疫反応を変え、異物として認識しないように徐々に慣らしていく仕組みです。
従来は注射で薬剤を体内に入れる皮下免疫療法が実施されていましたが、痛みを伴う上に頻繁に通院する必要がありました。舌下免疫療法は、月1回の通院で処方された薬を飲めばよく、強い全身反応が起きてショック状態になるアナフィラキシーのような副作用も少ないとされています。しかし、初めて薬を飲む際は、医師のもとで30分待機しなければなりません。最初は少量から始め、徐々に増量していきます。また、どれくらい治療を続ければよいのかは、まだ詳しくわかっていません。診療指針では最低2年以上、3~5年は続けるよう推奨しています。この舌下免疫療法の効果には個人差があり、治療を続けても症状に改善がみられない患者も2割ほどいるとされています。

(2018年3月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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