平成27年度日本医療研究開発機構(AMED)の研究において、女性の健康の包括的支援実用化事業「若年女性のスポーツ障害の解析とその予防と治療」(研究代表者:藤井知行)がまとめられました。
競技レベル別にみた無月経
アスリート群2,259名、コントロール群490名に対し、競技レベル別に無月経の割合について検討しています。無月経の割合は、日本代表レベル6.6%、全国大会レベル6.0%、地方大会レベル6.1%であり、非運動のコントロール1.8%に比べて有意に高い値を示しています。月経周期異常の割合は、各郡間で差は認められていません。
今回の調査結果により、非運動女性と比較しアスリートでは無月経の割合が高く、地方大会レベル以上の選手では、競技レベル間で無月経の割合に差は見られませんでした。また、無月経及び月経不順を含む月経周期異常全体では、選手と非運動女性で差は認められませんでした。これまで無月経について競技レベル別に検討を行った報告はなく、本調査より女性アスリートの三主徴の1つである無月経は、大会に出場するレベルの選手において競技レベル間で差は見られず、トップ選手固有の問題ではないことが明らかになりました。
(吉村 やすのり)