若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症の総称です。厚生労働省研究班の推計によれば、患者数は約4万人とされています。発症年齢の平均は51歳です。働き盛りの人を襲い、大事な会議を忘れるなど業務に支障が出て、失職につながる場合があります。仕事を休めずに診断が遅れて症状が悪化するケースもあります。若年性認知症は働き盛りの人が多いため、就労継続支援の拡充などが課題となっています。
若年性認知症の電話相談に無料で応じる国のコールセンターに寄せられた件数が、2015年は過去最多の計2240件に達しています。厚生労働省は患者や家族の支援を強化するため、都道府県に若年性認知症支援コーディネーターの配置を進めています。コーディネーターは医師や精神保健福祉士などを想定しており、最寄りの認知症疾患医療センターを紹介したり、就労継続の助言をしたりして患者や家族をサポートします。
(2016年6月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)