若者の消費額の増加

 世界の若者の消費額が増えています。ワールド・データ・ラボの調査によれば、世界の20代以下の若者が買い物やネットに費やした消費額は、2024年に前年比3%増の18兆ドル(約3,000兆円)に達しています。全体の3割を占め、世代別で最大となっています。新興国での人口増などに伴って、20年後には2倍超の40兆ドルまで伸びるとされています。30代と40代を合わせた消費額よりも大きくなっており、企業にとってはまさに宝の山です。

 若者の消費は、グローバルサウスがけん引しています。インドの伸びが主要国・地域で最も大きく、3.9倍の4兆3,600億ドルまで膨らみ、世界の1割です。次いでアフリカが3.1倍の3兆3,100億ドル、東南アジアも2.9倍の2兆5,900億ドルになります。若年層の増加と経済成長が重なり1人あたりの購買力が高まります。米中の存在感も大きく、米国は9割増の8兆5,900億ドル、中国も2.3倍の4兆7,500億ドルにもなります。

 日本は6割増の8,200億ドルにとどまっています。少子化で若者の人口が減り、経済成長が実現できても、インドの5分の1の市場になってしまいます。日本企業の成長には一段と海外事業を伸ばすことが不可欠になります。懸念は日本製品のブランド力の低下で、日本企業の商品への20代の好感度はこの10年で大幅に下がっています。一方、中国のブランドイメージは上昇しており、安かろう悪かろうのイメージが変わり、中国の商品が憧れのブランドになりつつあります。

(2025年2月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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