蘇生の中止基準

 日本臨床救急医学会は、人工呼吸などの蘇生処置を家族らが望まない場合の対応について、統一的な基準を作り始めました。救急隊からの連絡で中止を的確に指示できるよう、本人や主治医が事前に意思表示する書面のひな型を作ることも検討しています。
 家族が蘇生を望まないのに救急車を呼んでしまう背景には、死の迎え方について事前の意思表示が広がる一方、自宅や高齢者施設でみとる態勢が不十分なことがあります。容体が急変した時に主治医と連絡が取れなかったり、慌てたりして119番通報してしまいます。主治医の死亡診断書は翌日でも構わないので、主治医に連絡がつかないとしても慌てて救急車を呼ばなくてよいのです。死の迎え方をよく家族で話し合っておくことが何よりも大切です。

(2016年4月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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