マイナビが今年6月に発表した2016年卒の大学生就職意識調査において、学生たちの志向の変化はくっきりと表れています。行きたくない会社を聞く質問で、2001年卒と比べ、休日・休暇がとれない会社は2倍近い27.4%に残業が多い会社は4倍近い11.4%に増加しています。若者は、就職の条件に残業が少なく休暇が取れる会社を重視していることがわかります。
わが国の一人あたりの平均年間労働時間は、年々減少していますが、欧米に比べてまだまだ長く、一方時間あたりの労働生産性はOECD加盟国の中でも明らかに低い状況にあります。生産性を高め短時間で効率良く働くよりも、長時間働くことを美徳として評価している傾向がみられます。時短の取り組みには、経営者の考えと職場の雰囲気を根本的に変えることが大切です。
(2015年10月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)