衛星通信とは、人工衛星を介した地上の無線通信サービスです。地球から遠い静止衛星を使う旧来の方法は、通信の遅延の大きさやコストの高さなどの事情で用途は限定的でした。近年は、地球に近い低軌道で多数の小型衛星を一体運用する衛星コンステレーションが台頭しています。通信が速く、料金も比較的手ごろなことから、一般的なインターネット接続手段として普及しつつあります。
地上通信網の整備が不十分な新興国や、既存の回線が高額な内陸部などで需要が見込まれています。ネット接続機能を備えたコネクテッドカーや、IoT機器向けといった用途も広がり、宇宙産業の市場拡大のけん引役になるとされています。
(2023年7月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)