裁量労働制の効果

政府が、働き方改革関連法案から裁量労働制を削除したことに対し、企業から働き方改革や生産性の向上について本質的な議論を求める声が相次いでいます。事業のグローバル化が進む中、社員の働き方は多様になってきております。各企業は独自の制度を導入し、生産性向上のために知恵を絞っています。長時間労働を抑制しつつ、効率的な働き方を探る議論が必要です。労働時間のデータの取り方の間違いを指摘しているだけでは、労働生産性の向上を望めません。
労働政策・研修機構の調査によれば、裁量労働制の導入企業は、従業員のやる気向上などを効果としてあげています。従業員側も満足、やや満足の回答が7割程度でしたが、労働時間の長さや不満点とする回答も多くみられています。生産性を高めなければ、海外に仕事が流れていってしまいます。勤務時間よりも成果が問われる職種は多くなっています。長時間労働の防止や健康への悪影響を防ぐ仕組みをどうつくるかが重要なキーです。

(2018年3月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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