認知症患者の行動を見守るシステムが開発されています。認知症で問題になるのが、徘徊への対策です。軽量で安価な機器を使って、患者の位置を知る仕組みづくりが進んでいます。小型発信機とスマホを組み合わせたシステムです。
居場所をつかんでおきたい患者らが身につけるのは、20グラムほどの発信機だけです。ブルートゥースという音楽機器などでも使われる近距離通信の方法を使います。約30~70メートルの範囲に発信される電波をキャッチし、患者の居場所をつかむ仕組みです。
しかし、電波の受信機を街中に置くのは困難です。そこで、スマホで受信でき、その内蔵GPSでおおまかな位置も特定できる仕組みにしています。協力者を募って専用アプリをダウンロードしてもらい、受信役にします。アプリ利用の地域住民が増えれば、より精密な位置把握ができるようになっていきます。こうした技術を応用して、社会で老人を見守る態勢を整えることは極めて大切です。
(2016年2月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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