厚生労働省は、2016年4月をめどに訪問診療専門の診療所を認める方針を固めています。外来患者を診る施設などがなくても、診療所を開くことができるようになります。訪問専門の診療所の解禁によって、在宅医療の拡充や入院医療費の抑制が見込まれます。
しかし、訪問専門の診療所を解禁した場合、診療所が財力などの条件で患者を選別する懸念もでてきます。すでに都市部などでは、外来よりも高い診療報酬を求めて、訪問診療を主体にする診療所が現れてきています。今後は、重症患者を避けて軽症患者ばかりを診療しないことや、担当地域を設けて安易な診療拒否をしないことなど、訪問専門の診療所の質の確保が課題となると思います。
( 2015年9月27日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)