新卒時から訪問看護師として働く人が増えてきています。病院の看護師はシフトを組み日勤と夜勤を繰り返すことが多いのですが、訪問看護師は平日の日勤が基本です。需要が高まる中、人手不足を補うのが狙いで、新卒の若手にとっては夜勤が少ない働き方などが魅力になっています。病院での入院日数が縮まる中、患者の退院後の生活をサポートする退院支援が重要視されてきています。訪問看護師の平均年齢は、病院勤務の看護師より高い状況にあるだけに、若手が増えることへの期待は高くなっています。
しかし、一方で在宅での医療や看護を担う訪問看護師が、利用者らから暴力や暴言、セクハラ被害に遭うトラブルが多くなっています。訪問看護を巡るトラブルについては、約半数が暴力を受けた経験があるとの結果もあります。訪問看護は、民間の訪問看護ステーションや病院の看護師らが、病気や障害のある人の自宅でケアをするサービスです。一日に数軒の利用者宅を訪問することにより、トラブルに遭遇しないような手引きやガイドラインの作成も必要になります。
(2017年10月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)