今年に入って日本を訪れた外国人客が、2千万人を超えました。年間で2千万人の大台を突破するのは初めてです。中国などアジアからのクルーズ船が急増し、伸びをけん引しています。しかし、訪日客の伸びは鈍化しています。訪日客の内訳をみると、トップは中国の約500万人で、全体の3割近くを占めています。韓国、台湾、香港を含む東アジアで7割を超えています。
訪れる場所は東京と大阪を結ぶゴールデンルートの人気が高くなっていますが、地方にも分散しつつあります。外国人の延べ宿泊者数では、地方の伸びが三大都市圏を上回る傾向が続いています。観光資源の掘り起しも急務です。息の長い訪日ブームにつなげるには、リピーターを増やしたり、周遊型の旅行を促したりする必要があります。わが故郷である岐阜も外国人の人気スポットがたくさんあり、高山をはじめとする観光地に多くの外国人が訪れています。
(2016年10月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)