日本政府観光局の発表によれば、2020年の訪日客数が411万人で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で訪日客数は前年比87%減でした。訪日客数は、昨年3月以降前年同月比9割以上の減少が続いています。政府は、2020年に訪日客4,000万人の受け入れを目指していましたが、わずか1割にとどまり、回復のメドも立たない状態が続いています。
訪日客数は、2019年に8年連続の増加となる3,188万人を記録、過去最高を更新していましたが、昨年はこの20年間で最低の水準にまで落ち込みました。主要国・地域別の訪日客数でみると、106万人の中国が最多で、次いで台湾が69万人でした。2019年は中国から959万人、台湾から489万人が訪れていました。
経済産業省は、2019年実績をもとに、1年分の訪日旅行消費が9割消失すれば、国内総生産(GDP)を0.8%押し下げると試算しています。旅行消費をもとにすると、観光産業などへの波及効果は、2019年で7.8兆円あったと試算していました。宿泊や旅行関連の事業者は、外出自粛や訪日客の減少で苦しい状況が続いています。
(2021年1月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)