子どもが認可保育園に入園できなかった場合、自治体が独自基準を定めた認証保育所や市保育室などの認可外の施設に入ることになります。人員配置や設備などの基準が認可園と異なる上、保育料は高めに設定されています。運営費の公費負担が多い認可園に対し、認可外の保育施設は事業者が負担する割合が高くなり、それが保護者の払う保育料に跳ね返ります。認可や認証といった業態を問わず、同じ水準で保育が提供されています。しかし制度の壁が利用者間に負担感の差を生み出しています。
待機児童問題が解決しない中、預け先確保を優先するために、認可外の施設を選ぶ保護者は多くなります。利用者があえて選ぶというよりは、いろんな理由で認可外の施設を選ばざるを得ないのが現状です。認可園は保育士の配置基準に応じて3歳児以上の定員が増えるため、結果として保育料は下がります。認証保育所などの施設は0~2歳児を想定しているため、3歳児以降の定員が少なく、保育料もほどんど下がらない例が大半です。
(2015年12月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)