認知症とは、脳の働きが悪くなって障害が起こり、生活に支障が出ている状態をいいます。厚生労働省の推計によれば、2012年の認知症の人は462万人にも達しています。今後、2025年に730万人、2040年に953万人、2060年には1,154万人に増える可能性があります。高齢者の認知症予防や介護に役立てようと、自らの人生を回顧してまとめる自分史作りの活用が広がっています。昔を思い出すことは、脳を活性化する回想法につながるとされています。
昔を思い出して話すことは、脳の活性化につながり、認知機能の低下防止や気分の安定に効果があるとされています。他人に自分の人生を知ってもらうことで、生きがいにもつながります。記憶の再固定に役立つだけでなく、過去の写真などを見て話すことで成功の追体験がなされ、気分の安定やコミュニケーション力の改善に効果があると思われます。
(2020年6月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)