脳卒中や肺炎、骨折、がんなど様々な疾患で一般病棟に入院している患者の約2割は、認知症を有しているとされています。研究班によれば、認知症患者の約4割は、病気やけがの治療が終わっても、退院することが難しい状況にあります。家族の介護力の問題だけでなく、医療者側の入院中の認知症への対応が不十分で、患者の生活能力が低下したケースが目立ちます。
認知症患者が自らの苦痛を訴えにくいことや、脱水・低栄養になりやすくなります。認知症になると身体機能が低下し、転倒や転落のリスクが高まります。認知症の支援体制が不十分で患者の生活能力が低下し、入院が長期化するケースが目立っています。
(2016年10月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)