贈与税のあり方―Ⅲ

注意事項

 基礎控除の範囲内で贈与する場合に大切なのは、贈与する側と贈与される側の意思を毎年、確認しあうことが必要になります。合意を取っておかないと、いくら分けて贈与しても、税務上は一度にまとめて贈与したとして課税されるリスクがあります。あくまで年ごとに決めたことを証明するため毎年、贈与契約書などの記録を残しておかなければなりません。一括贈与の非課税制度の活用では、適用条件をよく確認することが大切になります。
贈与税は、生活費や教育費を必要に応じて贈与する場合は非課税ですが、もらったお金を使わずに株式投資などの資金に充てると課税対象となります。海外に留学する子どもや孫へ教育費や生活費を送金する際も、金額によっては贈与であると疑われることもあります。1100万円を超える海外への送金には注意が必要です。使途などについて尋ねられ、実際に教育費や生活費にかかったことを証明しないできないと課税される可能性があります。

(2016年3月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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