慶應義塾大学病院にて、268gで妊娠24週に出生した超低体重児の男児が、2019年2月に生後5か月体重3,238gで退院しました。大きな合併症も無く元気に退院した男児としては、世界で一番小さい赤ちゃんです。
新生児医療の進歩は目覚ましく、日本において1,000g未満で出生する超低体重児の救命率は最近では約90%と言われています。しかし、出生体重300g未満では救命率は50%以下で、心不全、失明、難聴などが起こるリスクが50%以上になります。特に男児の救命は女児に比べて格段に難しいものがあります。
日本は新生児死亡率が世界一低く、周産期医療の治療成績が世界トップレベルです。慶應義塾大学病院の小児科は、これまでに妊娠23週289gで1999年に出生した女児の赤ちゃんや、妊娠25週265gで2007年に出生した女児の赤ちゃんを元気に退院させた実績があります。
(慶應義塾医学部新聞 第809号)
(吉村 やすのり)