路線バス撤退の主な理由は、以前は利用者の減少でした。しかし、この数年は運転手不足が問題になっています。帝国データバンクの調査によれば、減便や廃止の理由として、ほぼ全ての事業者が運転手不足を挙げています。さらに、働き方改革に伴う2024年問題で状況は悪化しています。バスの運転手が必要なのは朝の通勤・通学の時間帯です。人手不足で朝の運行を削らざるを得ない状況に陥っています。日本バス協会の試算によれば、2024年に運転手の不足は2万1千人で、2030年には3万6千人に拡大する見込みです。
文部科学省の学校基本調査によれば、2024年度の公立小中学校数は10年前の2014年度と比べて約2,700校(9%)減っています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2020年に2,073万人だった19歳以下の人口は、2040年には1,547万人にまで減少します。減少数が特に大きい都道府県は大阪、兵庫、神奈川、埼玉、千葉、愛知、北海道などです。
学校が統廃合すれば、学区が拡大します。人口減少により、学校を選ぶ余地がなくなり、遠くの学校に通わなければならなくなってしまいます。統廃合をきっかけにスクールバスが導入されるケースも少なくありません。しかし、運転手不足は地域によってはスクールバスの委託先が見つからない事態も起きています。

(2025年3月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)