単身高齢者は増えています。国の推計では、65歳以上の単身世帯は2020年に738万世帯ですが、2050年には1.5倍の1,084万世帯になります。家族が果たしてきた役割を担う事業者のニーズは高まっています。入院や介護施設への入所の際の身元保証人や、死後の事務手続きなどを引き受ける民間サービスが増えています。
総務省の昨年の実態調査によれば、事業者は全国に400超ありました。回答した204事業者の過半数は開始から5年以下で、近年急増したことがうかがえます。しかし、事業を規制する法律や監督する省庁はないため、契約を巡るトラブルも増えています。
国は、6月に事業者向けに適正な運営の指針を策定し、利用する際のチェックポイントもまとめました。しかし罰則はなく、実効性を疑問視する声や法整備の検討が必要との指摘が出ています。事業者の質を高めるため、全国組織の設立を目指す動きもあります。利用者が良い事業者を自分で選べるように、将来的には、事業者が第三者評価を受け、標準化された情報が公開される仕組みが必要です。
(2024年12月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)