転職後の年収の増加

 総務省の労働力調査によれば、ここ10年、転職者の総数は300万~350万人ほどで推移しています。10年前と比べた10歳ごとの年齢層別では、25~34歳が横ばい、35~44歳層では減少しています。一方で45~54歳などこれ以上の年齢層では増加しています。転職者数自体は、2024年も25~34歳が76万人と最も多く、依然として若手や中堅が転職市場の主役ですが、中高年が少しずつ比率を高めています。

 平均寿命が延び高齢化が進んでいることがベースにあります。マイナビが転職者を対象に行っている働きたい年齢の調査では、平均年齢が毎年少しずつ上昇し2024年は62.8歳となっています。働かないといけないと思う年齢は、これを2.8歳上回る65.6歳です。40~50代が自らの60代を見据えて転職に動いています。

 転職後に賃金がアップする人は中高年でも増えています。エン・ジャパンの調査によれば、50代で転職後に年収が増加した人の割合は2024年が42%となり、2019年比では10ポイント上昇しています。年収が上がる人の業種はIT・インターネットなどへの転職が多く、年収が下がる人はメーカーが多くなっています。働き手は年齢を経るほど立場はより多様になり、それまでの収入や地位、経験・能力の違いは大きく、希望や条件にあったマッチングが若者以上に重要となります。

(2025年6月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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