就職の内定先や選考中の企業に対し、辞退をハッキリ伝えて就職活動を終わらせることをいいます。10月1日には多くの企業の就職内定式があります。しかし今年から経団連に加盟する企業の選考開始が後ろ倒しとなり、この時期に2次募集を始める企業もあります。このためまだ希望が通るかも知れないと企業先をきめられず活動を続け、内定先や選考中の企業に辞退を告げない学生が増えてきています。売り手市場が鮮明な今年の就活では、学生側が連絡をせず面接や内定を辞退するサイレント辞退が目立っています。
就職情報のマイナビによると、8月末までの内々定保有者のうち、選考の途中で面接などの辞退の経験がある学生は6割以上で、そのうちサイレント辞退をしたのは3割以上に上っています。例年は大手企業の採用が落ち着いた後に、中小企業の採用が本格化していました。今年は大半の大手企業の選考時期が後ろ倒しとなり、中小企業などは例年通りの時期に活動をしたため、採用時期が逆転していました。大手志向の学生は8月以降に内定を出す大手企業の選考まで活動を続け、結局辞退が相次ぐことになりました。サイレント辞退ではなく、内定後には辞退を明確に伝えるべきです。
(2015年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)