農地面積の減少

2021年の国内農地面積は435万haと、九州とほぼ同じ大きさです。1962年以降60年間減り続け、3割少なくなっています。農業白書は、2021年の農地面積を都道府県別に2005年と比べています。2021年度食料・農業・農村白書によれば、最も減少したのは東京都で23.1%減でした。減少率は全国平均の7.3%の3倍です。神奈川県の13.7%や埼玉県の13.3%の減少率も大きく、首都圏では市街地開発に伴って農地の宅地転用などが進んでいます。
減少率で2位の愛媛県の18.8%や3位の静岡県の18.1%は、山がちな地形を抱え、農業経営の大規模化や法人化が進めにくいため、農家が担い手を見つけられないままに高齢化で耕作を放棄しています。減少率は西高東低の傾向にあり、西日本は東日本より中山間地域が多く不利に働いています。
減少率が最も低いのは北海道の2.2%です。広大な平野があり、経営を大規模化・法人化している割合が高くなっています。65歳未満の農業従事者が1人もいない割合は低く、耕作放棄が生じにくい状況にあります。

(2022年6月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。