農業における生産性

2021年度食料・農業・農村白書によれば、農家・農業法人など1経営体あたりの生産農業所得で最も高いのは、1,000万円を唯一超えた北海道でした。畜産物や野菜などコメ以外を伸ばした地域が上位に入っています。生産農業所得とは、農協などを通じて把握した都道府県別の農業産出額に農家・農業法人などに抽出調査した農業経営の経費構造を当てはめて算出した推計値です。農家などが生産によって新たに加えた価値を計算しており、概念としては一般企業の粗利益に相当します。
全国平均は1経営体あたり311万円であり、2000年の150万円に比べると2倍となっています。長く横ばいでしたが、2010年の169万円以降、付加価値の高い畜産物などの生産が拡大して増加しています。農業の生産性が高まっています。
首位の北海道は、2020年で1,428万円と全国平均の4.6倍でした。宮崎県の527万円、群馬県の489万円、鹿児島県の476万円と続いていますが、北海道が飛び抜けています。最も少ないのは奈良県で128万円でした。地域差は10倍以上に及んでいます。

(2022年6月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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