通信制高校の生徒は、2025年度に初めて30万人を超えました。全国の高校生の10人に1人が通っています。不登校を経験した学生の増加により受け皿としての役割が高まったほか、自分のペースで学べるためスポーツや芸能活動に注力したい生徒や海外大志望者なども増えています。
通信制高校と提携して生徒の学習支援などを担う通信制サポート校の開設も増えています。2024年時点で約1,800施設があり、4万人超の通信制高校性が通っています。矢野経済研究所によれば、サポート校などの2025年度の推計市場規模は439億円と、4年で26%増えています。NTT系はeスポーツに特化したサポート校を2025年4月に開設しました。元プロ選手による指導など独自のカリキュラムで生徒の獲得につなげています。
通信制高校の中には環境に問題を抱える高校もあります。教員数を満たしていないといった学校もあります。サポート校は行政の目が届きにくいという指摘もあります。通信制高校の多くは生徒獲得をサポート校の知名度に頼り、カリキュラムが不適切でも是正をすることができません。一定の教育の質を担保するため学習内容など情報開示が必要になります。

(2025年12月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





