通級指導に通う児童生徒数の増加

通級指導とは、小中高校の通常学級の学習や生活で困ることのある子が、週何時間か別の教室や学校に行って、少人数や個別で指導を受けることです。国は通常学級にいる障害のある子や、発達障害の傾向にある子の支援を充実しようとしています。
制度ができたのは1993年度です。当時は指導を受ける子の多くは言語障害でした。しかし、発達障害の診断が増え、2006年度から学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症も加わりました。2018年度には高校にも制度ができ、指導を受ける児童生徒は13万人を超え、10年で2.5倍に増えています。
一方、特別支援学級に在籍する子は、基本的に半分以上の時間はそこの特別なカリキュラムで授業を受け、通常学級には交流で行くことになります。通級指導は、通常学級に在籍し、一部だけ別に授業を受けます。コミュニケーションの方法を学んだり、自分に適した学び方を覚えたり、通常学級での学びや生活に困らないようにするためのものです。
通級指導のない学校もあり、通級指導の時間だけ近くの学校に行く他校通級をすることになります。保護者の送り迎えが大変で、違う学校に行くのを嫌がる子もいるから、担当の先生が各学校を回る巡回指導も増えてきています。様々な特性のある子が増える中、特別支援教育の専門知識を持っていない先生も少なくないことが課題となっています。

(2022年7月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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