通級指導の増加

通級指導とは、通常の学級に所属しつつ、週に数回はクラスを離れ、別室などで友人との円滑なコミュニケーションの仕方や、自分の障害の特性などについてグループや個別で学ぶことをいいます。一方的に話す、文字を書くことや読むことが難しいといった発達障害がある子のほか、視力や聴力に比較的軽い障害がある子らが対象です。対象の子どもは2007年度は約4万5千人でしたが、2017年度は約10万9千人と、10年で約2.4倍に急増しています。特に中学生に限ると約5.5倍に増えています。学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)が理由の子どもが増えています。
一方、校内で通級指導を受けられる公立の小学校は全体の22%、中学校は9%に過ぎません。他校に通うか、希望しても受けられないケースが多いです。また、専門の免許を持つ教員が教える特別支援学校と異なり、通級指導は通常の小中の教員が担うことが多く、教員の数と専門性が課題となっています。一人ひとりの障害に応じた指導方法を選び、実践できる能力がある教員を増やすことが必要となります。

(2019年1月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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