乳幼児の運動発達の目安は、母子健康手帳の、身長体重を書き込むグラフなどに記されています。国が10年ごとに実施している乳幼児身体発達調査の結果をもとにしたものです。線の左端が50%の子どもができた時期、線の右端が90%の子どもができた時期を表します。あくまで過去の調査結果を反映したもので目安の一つです。おもちゃを掴むなど、他の運動の発達が遅れていない場合は、しばらく様子を見て良いとされています。
7~11か月の、はいはいからつかまり立ちの時期には、鮮やかな色のボールを転がし、親と一緒にはいはいやずりばいで追いかけたり、布団などで作った少し高い場所や段差をはいはいしたりするのがお勧めです。距離や位置などを把握する空間認知能力や、手足の筋肉が鍛えられます。子どもは8か月頃になると、大人が話す内容を理解し始めます。名前を呼ばれたら振り向くなど、親や兄弟の呼びかけに反応して、動くようになります。乳幼児の発達は個人差が大きく、正常の範囲も広いことを知っておくべきです。
(2023年7月13日 読売新聞)
(吉村 やすのり)