遠隔診療とは、インタ-ネットなどで医師と離れた場所にいる利用者を結び診察するものです。これまでは医師が足りない離島やへき地が対象で、厚生労働省など補助金を受けて事業化するケ-スが多く見られました。このため地域や規模が限られた事例が大半でした。最近では、ベンチャ-企業が大手に先駆け、遠隔診療サ-ビスを始めようとしています。高齢化や慢性疾患の増加などで遠隔診療の需要は膨らむ見通しです。
ベンチャ-企業が、血圧や尿酸値が高い人、肌荒れなど10症状を対象に遠隔診療の仲介サ-ビスを始めました。パソコンやスマ-トフォンを通じて、同社と提携する医師が診断して薬も処方されます。薬はネットを通じて診察した医療機関から自宅や職場に直接配送する仕組みになっています。原則として1度実際の医療機関で診断を受けた利用者を対象にしていますが、対象となる症状などによっては改善のためのアドバイスを最初からするケ-スもあります。症状が重い場合は、医療機関の受診を勧めています。保険は使えず診療料は自費で、クリジットカ-ドで決済します。
(2015年12月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)