選択的夫婦別姓は、夫婦が望む場合に結婚後も双方が結婚前の姓を名乗ることを認めるしくみで、従来通り夫婦同姓を選ぶことも可能です。20代から50代の全年齢層で賛成が7割を超え、全体では74.1%を占めています。2017年の内閣府が男女5,000人に実施した世論調査によれば、選択的夫婦別姓を認めるための法改正をしてもかまわないと答えたのは42.5%だった。働く女性のニーズは高くなっています。
仕事上で使いたい姓について尋ねたところ、働く未婚女性の51.6%が旧姓、13.7%が事実婚で旧姓のままと答えています。旧姓使用を希望している人は合わせて約65%に上っています。働く女性が増えるなか、姓が切り替わってキャリアや人脈がリセットされる弊害は計り知れないものがあります。旧姓を名乗れる職場は増えましたが、2つの姓を使い分ける不便さや名義を新姓に変更する手続きなどは、姓が変わった側のみにかかる負担です。国連は夫婦別姓を認めない日本の民法規定が差別的であるとして、是正勧告をこれまでに3回出しています。
(2020年3月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)