部活動の民間委託が進む背景には、指導を担ってきた教員の負担軽減があります。スポーツ庁と文化庁は、2022年に活動場所を学校近隣のスポーツクラブなどに移していく地域移行を進めるガイドラインを発表しています。公立学校の場合、自治体の公募に対して企画を提出した事業者の中から委託先を選びます。近年、休日、平日ともに運動部のスポーツクラブへの移行は増加傾向にあります。スポーツ庁の調べでは、851の自治体が2026年度までに休日の運動部の活動を地元スポーツクラブに任せる計画です。
フィットネスクラブ各社が、小中学校から部活動や水泳授業の受託を進めています。学校のプールは老朽化が進み、改修には億単位のコストがかかるため、改修費用の捻出よりも民間委託を選ぶ学校が増えてきています。
これまで教員が指導してきた部活動を民間に委託するには、指導者に支払う報酬の財源が必要となります。国や自治体による公費負担と、生徒の保護者が支払う受益者負担のバランスが模索されています。

(2025年9月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)