郵便貯金の消滅額の急増

満期から約20年が過ぎて、貯金者の権利が消滅した郵便貯金が急増しています。2007年の民営化前の定額貯金などは、旧郵便貯金法が適用され、満期後20年2カ月で貯金者の権利が消えてしまいます。ここ数年で消滅額は急増し、昨年度は計11.7万件で457億円に達しています。
権利が消滅するのは10年満期の定額貯金が中心で、消滅は2037年まで続く見通しです。普通預金にあたる通常の貯金はゆうちょ銀行が引き継いでおり、民間の銀行預金と同様に資産が一気に消失することはありません。
登録された住所が違うことなどが原因で、貯金の引き出しを促す催告書の8割が貯金者のもとに届いていません。多くの貯金者やその相続者が、その存在に気づかずに資産を失っているおそれがあります。

(2022年12月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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