東京23区の中古マンションの価格上昇が加速しています。9月の平均希望売り出し価格は前月比2.9%高の70㎡あたり1億1,034万円と、初めて1億1,000万円を超えました。新築物件の供給が細るなかで中古市場に実需層が流れているほか、株高を背景に富裕層も中古物件への投資余力を高めています。
東京23区の価格上昇をけん引するのは都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)です。前月比3%高の70㎡あたり1億7,550万円でした。都心部には富裕層の投資やセカンドハウスの需要が集まっています。最も高いのは千代田区で、前月比1.4%高の2億5,103万円でした。経営者などに人気があるエリアで、流通戸数が少なく希少性が高いため、高値がつきやすくなっています。
東京23区内では都心部と周辺部の格差も目立っており、足立区と葛飾区の価格は4,000万円台で千代田区の5分の1以下でした。首都圏(1都3県)全体では前月比2.2%高の6,018万円でした。神奈川県は1.0%高の4,021万円、埼玉県は0.3%高の3,028万円、千葉県は0.3%高の2,821万円でした。
(2025年10月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
								






