東京都の発表によれば、本業にあたる医療サービスの損失を示す医業赤字に陥った病院は、2024年度に68%を占めています。都は、2026年度の診療報酬改定について少なくとも約10%の改定が必要などと大幅な引き上げを求める緊急提言を提出しています。
医業赤字の病院の割合は、2019年度は50%、2023年度は64%で、経営が悪化した病院の割合が増えています。2024年度の100床あたりの医業損失の平均は、前年度比で5%増の1億3,758万円でした。病床の規模別では、400床以上の病院は82%が医業赤字です。病床が増えるほど赤字の割合が増える傾向がみられています。病院別では、三次救急医療機関の医業損失が平均20億円、感染症指定医療機関が平均15億円と赤字幅が大きくなっています。
医業収益に占める赤字比率が2024年度に6%、材料費や給与費などの医業費用の増加率は、2026~2027年度に推計で5%にのぼるとして、赤字を抑えるには診療報酬の本体部分で少なくとも10%の改定が必要と試算しています。

(2025年11月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





