都心3区の人口増

 東京都が発表した2015年国勢調査速報によれば、都内の総人口は13513734人で、前回10年調査より2.7%増えました。しかし、伸び率は4%台だった2010年や前々回の2005年に比べ鈍化しています。また、1世帯当たりの人数は2.02人と2人を割る寸前まで落ち込んでいます。人口増加率は都内全体でみると低下しましたが、千代田、港、中央の都心3区の増加率は2桁の高水準が続いています。交通の利便性が高く、子育て施策に力を入れていることなどから、転入が加速しています。
 増加率が23.83%で最高の千代田区は、流入人口の多くが子育て世代です。子どもの医療費無料化など子育て関連の予算増やし、保育所の拡充などで待機児童もゼロを継続しています。子育てにやさしい区の人口が増加しています。人口流入を促進するためには、子育て関連の予算拡大が不可欠です。都内全体では人口増の一方で、世帯員数の減少が進んでいます。これは中高年の単身世帯が増えていることに起因すると思われます。今後は、ひとり住まいの高齢者を地域全体で見守り、孤独死を防ぐ取り組みが大切になります。

(2016年2月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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