都立病院の赤字

 都立病院機構の発表によれば、都立病院など15医療機関の2024年度決算の最終損益が、約239億円の赤字でした。赤字は2年連続です。売り上げにあたる医業収益は増えていますが、患者数が新型コロナ禍前の水準に回復せず、物価や人件費の上昇で経営環境が悪化しています。

 医療サービスによる医業収益は、入院患者の増加や診療報酬引き上げによって前年度比約79億円増の約1,779億円でした。病院経営にかかる費用は、人件費や薬などの購入費が膨らみ、約35億円増の約2,459億円でした。差し引き約680億円に上った医業損失は、都から交付される運営負担金など約523億円で一部が補填されていますが、国からのコロナ補助金が終了したことなどから、赤字額は前期から約56億円拡大しています。

 医療機関別では、前年度に続いて全15機関が赤字となっています。赤字額は、広尾病院が39億8,086万円と最も多く、多摩総合医療センターが32億8,517万円、駒込病院が21億6,097万円と続いています。物価や人件費の上昇が診療報酬の改定率に追いつかず、公営、民営ともに病院の経営環境は厳しい状況が続いています。

(2025年9月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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