総務省の社会生活基本調査によれば、新型コロナウイルス下の2021年に家族団欒などを示す休養・くつろぎの時間は、10歳以上男女の全国平均で1日106分(1時46分)と前回の2016年の調査より17分増えています。15歳以上男女の全国平均で見ても増加しており、10歳以上で調査開始の1996年以来、15歳以上で同1976年以来初めて100分を超えました。
都道府県別にみると、北海道が115分(1時間55分)と最も長くなっています。秋から冬にかけて寒い時期が長く、家で過ごす時間が多くなります。北海道に続いて長いのは和歌山県の113分、秋田県、山梨県ともに112分です。一方、最も短いのは沖縄県で94分、続いて佐賀県の100分、埼玉県と香川県の101分が短くなっています。
上位は会食よりも家族団欒を重視する傾向が強くなっています。会食などを示す交際・付き合いの時間が短い都道府県ほど、休養・くつろぎは長い傾向にあり、休養・くつろぎが最も短い沖縄県は交際・付き合いが最長でした。休養・くつろぎの時間の増加が最も大幅なのは神奈川県で、2016年の84分から2021年は110分と26分増えています。次いで群馬県の25分増、山梨県の22分増、大阪府の21分増が大幅でした。大幅に増えた府県は、在宅勤務が増えたということもあります。
(2023年2月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)