配偶子の売買を考える―Ⅴ

こうした危険な精子バンクをどうして女性は利用するのか。結婚は希望しないがどうしても子どもを持ちたいと考える女性、仕事の継続などで出会いがなく結婚ができない独身女性が精子バンクを希望するケースが最も多い。レズビアンのカップルは法的な婚姻関係が認められていないので、医療機関で精子の提供を受けることができない。

 性同一性障害のカップルで法的婚姻関係がある場合、精子提供による人工授精(AID)を受けることができる。また法的に婚姻している夫婦で、夫に精子がない場合も医療機関でAIDを受けることができる。しかしながら、医療機関でAIDを受けるためには手続きに時間を要し、カウンセリングも受けなければならない。その煩わしさを避けるために精子バンクを希望するカップルもいる。

(吉村 やすのり)

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