配偶子の売買を考える-Ⅳ

精子バンクでは、その対象を不妊治療をしているカップル、シングルマザーとして子どもを希望する女性、同性カップルの方々を対象としているようである。医学的な安全性の観点より、感染症を起こすなど重大な問題があることは前章で述べた。

もう一つの問題は、法的な親子関係である。提供された精子で妊娠した場合、ドナーとは遺伝的な繋がりがあるため、父子関係を強要されることもありうる。独身女性であった場合、ドナーが母と子との間に入り込む可能性も否定できない。このような場合、ドナーは父親とならないといった法的措置が全く取られていないことも問題である。

また、日本産科婦人科学会の見解では、非配偶者間人工授精(AID)における営利目的での精子提供の斡旋もしくは関与は許されないとしている。現在、自民党内の生殖補助医療に関するPTでも精子提供に関する罰則規定や斡旋等の登録も考慮されており、法制化を急ぐべきである。

(吉村 やすのり)

 

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