配偶者の存在

国立社会保障・人口問題研究所は、国勢調査の結果をもとに、配偶者がいる人と、未婚や死別、離別によって配偶者がいない人の将来推計を出しています。2015年の国勢調査では、「配偶者あり」と「なし」がおよそ3対2の割合でしたが、推計では今後その差は縮まり、2040年には概ね2人に1人が「配偶者なし」となるとされています。
結婚や出産は、個人の判断や選択に委ねられるべき問題です。しかし、独り身の女性に対する視線には厳しいものがあります。最近の政治家も、「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考えて」、「結婚しなければ子どもが産まれない。人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになる」、「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」など、未婚女性を傷つける発言をしています。未婚や少子化の問題は、女性だけが原因として捉えられがちです。生涯未婚率は4.4人に1人と男性の方がはるかに高率です。こうした政治家の発言が及ぼす影響を、発言した本人は気づいておられないのではないでしょうか。

(2018年7月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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