政府は、長時間労働に歯止めをかけるため企業への指導を強めることにしています。1カ月の残業が、100時間に達した場合に行う労働基準監督署の立ち入り調査について、基準を月80時間まで引き下げることになります。労働基準法の違反があれば、是正勧告などの措置をとります。労働の生産性を高めて長時間労働を減らすことで、子育て中の女性や高齢者が働きやすい環境を整える狙いです。
立ち入り調査の対象となるのは、80時間を超える残業をしている従業員が1人でもいると疑われる企業です。実際は労働基準監督署の監察官の数が限られるため、従業員による通報などを通じて悪質な企業を把握し、重点的に調査することになります。調査の結果、違法な時間外労働や残業代の未払いなどの労働基準法違反が見つかった場合は、是正勧告して、企業に違反行為を改めるよう求めることになります。
(2016年3月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
アーカイブ
カテゴリー
カレンダー