障害者の地域移行とは、障害者が入所施設を出て、自宅や、同じように障害を持つ人たちと共同生活するグループホームなどで暮らすことです。1980年代以降、健常者と障害者がともに生きるという観点から、地域移行が促され、2006年には数値目標も掲げられました。しかし、2017年度までに4年前と比べ施設入所から12%が地域生活に移るとの目標は、5.8%にとどまっています。
障害が軽い人、中度の人は、ある程度地域で生活するようになり、施設入所者は重度のお年寄りの割合が高まっています。こうした人が取り残されています。重度の障害者でも、ヘルパーが長時間、日常生活の介護や見守りをする重度訪問介護を利用して、自立生活を営む人も少しずつ増えています。
(2019年8月8日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)