人手不足が進む一方、失業期間が1年以上の長期失業者は増えています。総務省の労働力調査によれば、2021年7~9月期の長期失業者は68万人で、前年同期より18万増えています。その背景には、雇用のミスマッチがあります。
昨年11月の有効求人倍率は一般事務が0.29倍だったのに対し、介護サービスは3.70倍、建設は4.20倍でした。一般事務は求職が求人を上回り、介護や建設は人手不足が深刻であることを示しています。
政府は、ミスマッチ解消に向け、失業者らが給付金をもらいながら職業訓練を受けられる制度の拡充をしています。医療・介護分野などへの転職を促すため、社会人向け講座を開く大学に補助しています。ミスマッチは長年の課題で、実効性のある対策が求められます。
(2022年1月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)