離婚後の共同親権の中間試案

法制審議会は、離婚後の親権のあり方に関する中間試案をまとめています。父母双方に共同親権を認める3つの制度案を示しつつ、片方だけが親権を持つ現行の単独親権を維持する案も併記しています。
親権は、子供の世話や財産管理に関する民法上の権利・義務とされます。現行法は、婚姻中であれば父母がともに親権を持つ共同親権で、離婚した場合はどちらか一方のみが親権を持つ単独親権になると規定しています。
法制審議会は、①原則は共同親権で一定の要件を満たせば例外として単独親権も認める、②原則は単独親権で一定の要件を満たせば例外として共同親権も認める、③具体的な要件を定めず個別ケースごとに単独か共同かを選択可能にするの3案を記しています。
共同親権は賛否が割れています。現在の単独親権制度では、離婚後に金銭面などの責任を持たなくなりがちな親がいるとの指摘があります。慎重派は離婚後も父母双方に関係があると虐待やドメスティックバイオレンス(DV)が続くことを危惧しています。
海外の主要国は共同親権が一般的です。米国や英国、オーストラリア、韓国などが導入しています。イタリアやフランスは、共同親権を原則としつつ、虐待リスクなど子供の利益に反すると裁判所が判断すれば単独親権を認めています。

(2022年11月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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