離島での人口減少

 国内に300以上ある離島は、本土以上に急速な人口減と高齢化に見舞われています。日本離島センターによれば、1955年に約135万人だった離島人口は2020年時点で約57万人に減少しています。2015~2020年と同じペースで減れば、2050年は37万人と約100年間で7割減る計算になります。全国一律で提供されるべき医療や水道などライフラインを維持できなければ、さらに人口流出が進みます。

 離島は豊かな生態系や環境の保全に大きな役割を果たしています。日本の5つの世界自然遺産のうち3つが離島であることがその証拠です。文化的には島固有の伝統や風習、歴史遺産が日本の文化に多様性と深みを与えています。さらに重要なのが国土を守る拠点としての役割です。日本の国土面積は世界で60位程度ですが、領海とEEZを合わせた面積は世界6位です。離島の存在が国土の約12倍の海域をもたらしています。しかし、多くの離島自治体では、人手不足でテクノロジーの活用まで手が回らないのが実情です。採算性の確保も課題となります。日本の縮図といわれる離島に人が住み続けられるか、岐路に立っています。

(2025年11月24日)
(吉村 やすのり)

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