非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用

NSAIDsは、炎症を抑え、解熱や痛み止めの効果があります。体内に残りやすいステロイド構造を持たない薬の総称で、医療機関での処方薬や、町の薬局で購入できる市販薬として流通しています。日本緩和医療学会のガイドラインによれば、副作用には胃腸や腎機能の障害などがあります。3カ月以上使い続けている関節リウマチの患者の15.5%に胃潰瘍が、38.5%に胃炎が見つかるとされています。
注意が必要なのは腎機能障害です。薬で血管が収縮し、腎臓に流れ込む血流が減り、有用な物質を再吸収するための尿細管が死滅してしまいます。元々腎機能が低下している高齢者が使い続けたり、成人でも夏場の脱水時に使ったりすると、腎臓へのダメージが大きくなる恐れがあります。米腎臓学会は、高血圧と心不全、腎臓病がある人は、NSAIDsを使用しないように呼び掛けています。NSAIDsの代替薬として副作用の少ないアセトアミノフェンも使用されます。腎機能が低下していたり、長期にNSAIDsを使ったりしている人は、アセトアミノフェンの使用も考慮すべきです。

(2020年2月6日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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