頭痛は多くの種類があり、国際頭痛学会では症状別に367種類に分類されています。くも膜下出血や髄膜炎、副鼻腔炎などの他の病気に伴うものも含まれています。一番多いのが緊張型頭痛です。日本人の2割が悩んでいると言われています。精神や肉体的ストレス、姿勢の悪さなどで頭を支える筋肉が緊張して起きるといわれています。ストレス頭痛とも言います。だるさや疲れ、めまいを感じやすく、頭を締めつけるような痛みや肩・首のコリ、ときには歯や顔、胸などの痛みにまで発展することがあります。痛みはほぼ毎日、30分のこともあれば一日中続くこともあります。
その次に多いのが片頭痛です。遺伝的な要因が強いとされ、主に頭の片側が脈打つようにズキンズキンと痛みます。吐き気を伴いやすく、光、音、臭いなどの刺激によって誘発されることがあります。ひどい痛みが数時間から3日間ほど続き、寝込むこともあります。体の内外の変化に反応しやすい人が、片頭痛をおこしやすいとされています。例えば気圧の変化に反応しやすい人は、台風が近づくと片頭痛をおこす人もいます。天気、温度、湿度、人間関係などでも起きます。とくに精神的な変化で起こるのが週末片頭痛です。激務のストレスから解放後に発症しやすくなります。片頭痛は月経によるホルモンの変化が大きい女性に多く、生理前などに発症することがあります。
予防や軽減には体を動かすことが有効です。片頭痛の最中は悪化するので、痛みが無い時に毎日数分でも体を動かすようにすると良いとされています。緊張型は痛みの最中のストレッチが軽減につながりやすいとされます。
(2016年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)