風邪を5類感染症に指定

 厚生労働省は、いわゆる風邪と呼ばれることもある急性呼吸器感染症(ARI)を、感染症法に基づき5類感染症に指定しました。ARIは咽頭炎や気管支炎、肺炎などの気道炎症の総称です。同様の症状を示すインフルエンザなどを含み、症状としては風邪として扱われることも多く、くしゃみや咳などが主要な症状であることから、飛沫感染による拡大を招きやすい状況にあります。

 厚生労働省は、感染症サーベイランスシステムを通じて全国3千カ所の医療機関で感染者数を取りまとめるほか、300カ所で検体も採取するためARIを5類に指定します。この背景には、新型コロナウイルス禍で感染状況の把握が滞った教訓があります。コロナ禍では感染拡大当初、国と地方自治体で感染者情報を集約する仕組みが整っておらず、感染状況の分析などに支障をもたらしました。

 今後は咳や喉の痛み、鼻水など急性の特定症状を持つ患者を定点観測の対象とます。検体を採取し、地方衛生研究所で分析することで、今後に未知の感染症が国内に入ってきても、拡大する前に対策を講じる狙いがあります。

(2025年4月8日 産経新聞)
(吉村 やすのり)

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