2018年の食中毒の報告件数のうち、海の魚介類に寄生し、激しい胃痛などの原因となる寄生虫アニサキスが、ウイルスや病原菌を抜いてトップになっています。アニサキスは、サバやアジ、サンマなどの主に内臓に潜み、刺し身などの生食で体に入ります。約3週間で排出される間に、胃や腸に激痛を起こすことがあります。内視鏡で除去する治療法が一般的です。アニサキスは、十分な加熱や冷凍処理で感染力を失うが、醤油やワサビ、酢締めでは効きません。
厚生労働省によると、2018年の食中毒の報告総数は1,330件です。そのうちアニサキスは468件で、2位の病原菌カンピロバクター（319件）、3位のノロウイルス（256件）を上回っています。しかし、アニサキスは感染が広がらないため、患者数は478人で、ノロウイルス（8,475人）やカンピロバクター（1,995人）を大きく下回っています。
（2019年3月14日 読売新聞）
（吉村 やすのり）
