ゲノム編集は、遺伝子を自在に切り貼りできる技術です。農作物などでは、目的の遺伝子だけを壊す方法と、外部から遺伝子を新たに加える方法があります。厚生労働省の専門調査会は、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集を使った食品の規制について、一定の条件を満たせば届け出のみで販売などを認める報告書案をまとめています。
ゲノム編集の食品への利用については、各国で規制が分かれています。米国は農務省が規制しない方針を示しています。一方、欧州では7月に欧州司法裁判所が、ゲノム編集は使い方にかかわらず従来の遺伝子組み換えと同様に扱う判断を示しています。ニュージーランドは遺伝子を改変する技術を用いた品種改良は全て禁止しています。国内では特定の栄養の多いトマトが開発されたり、肉付きのいいマダイや収量の多いイネなどの研究もあります。
(2018年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)